ある精神科医の調査によると、人が思い煩うことの40パーセントは絶対に起こり得ないこと、30パーセントはどうすることもできない過去の出来事、12パーセントは人から受けた批判(それもほとんど事実無根の話ばかり)、10パーセントは自分の健康のこと(心配すればするほど健康状態が悪くなるのだが)、8パーセントは実際に直面 する可能性のある問題だそうです。何というエネルギーの無駄づかいでしょうか。

 「だから、あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はその日その日に、十分あります」(マタイによる福音書6章34節)。

 ここで、主イエス・キリストは、明日のことを神に委ねて、その日その日を精一杯に生きる生き方を教えておられます。明日は神のものであり、私たちは明日、起こるかも知れないことを心配してはなりません。明日の問題を今日に持ち込んではなりません。私たちは今与えられている今日という日を生きるべきです。明日は神のものです。ですから、明日の問題を今日に持ち込もうとする時、実際には神のものを盗もうとしていることになります。自分には持てないものを持ちたいと欲張る時、神が既に与えてくださったものでさえも、失ってしまうことがあるのです。

 北極地方に住むエスキモーは、絶対に自分の年齢を明かさないそうです。「何才ですか」と聞かれても、「知らないし、関心もない」と言います。それでもなお答えを迫られれば、時計を見てから、「そうだね。もうすぐ、一日だ」と返事をします。エスキモーは夜、眠りに落ちる時に、自分が現世に対して死ぬ と信じています。また、朝、目を覚ます時に、自分が甦って、そこから新しい人生が始まったと考えるのです。ですから、年齢を聞かれると、「もうすぐ一日だ」と答える訳です。北極地方での生活は、厳しさを極めるもので、一日、生存するだけでも、奇跡に等しいことです。一日、一日を生きるエスキモーは、明日への心配はありません。また、過去のことをくよくよすることも、全くないのです。

 思い煩うというギリシャ語は、「起こるかも知れないことによって引き裂かれる」という意味です。確かに、思い煩いは自己破壊的な態度です。人は自分の未知の将来に目を向けて、起こり得るすべてのことを想像しますが、想像することのほとんどは、否定的なことです。私たちは、未来の不確実性とか、過去の出来事の結果 として起こるのではないかと案ずる事柄で、自分を引き裂いてしまうのです。 聖書の中で、思い煩いを打ち消す秘訣が記されています。それは、感謝をもって祈ることです。

 「何も思い煩わないで、あらゆるばあいに、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。そうすれば、人のすべての考えにまさる神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます」(ピリピ書4章6〜7節)。

 あなたは今日、神に祈りましたか。

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