昔、ペルシアを治めていた、シャーアビスという王の話です。シャーアビスは、国民をよりよく理解するために、時々、変装して、一般 の人の間に紛れ込み、皆と交わりを持つことにしていました。ある時、一人の貧しい男の人を見付けて、彼のそばに座りました。色々な話をしたり、また、男の人の粗末な弁当を分けてもらって、一緒に食べたりもしました。その後、シャーアビスは定期的にその男の人を訪ねるようになり、とても親しくなったのですが、しばらくしてから、自分が何者であるかを、男に明かしました。王だということが分かれば、きっと何かの願い事を申し立ててくるに違いないと思って、シャーアビスはじっと男の人の反応を見ていました。しかし、呆気にとられた男は、ものが言えなくて、しばらく黙ったままでした。やっと、口が聞けるようになると、彼はこう言ったのです。

 「貴方様は、私のために宮殿を離れて、御位をお捨てになりました。私の粗末な食事を共にされ、私の苦しみや喜びを分ち合ってくださいました。貴方様は、他の人には富や地位 などをお与えになるかも知れませんが、私にはもっともっと価値のある贈り物、つまり、あなた御自身を与えてくださったのです。願わくは、ずっと私の友達でいてくださいますように。」

 クリスマスの日に、私たちは、主の主・王の王なるイエス・キリストが、天の御位 を捨てて、人間として生まれてくださったことを覚えます。天地万物の造り主、神ご自身が人間の姿を取られ、私たちの世を訪れてくださったことをお祝いするのですが、このクリスマスの驚くべき出来事によって、私たちは本当の意味で神の姿を見、また、神を知ることができるようになりました。しかし、そればかりではありません。神との親密な交わりに入ることが可能になったのです。ちょうど、貧しい男がシャーアビスと親しい友達になったように、私たちも神との親密な関係が持てるのです。

 「初めに、ことば(注:キリスト)があった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。・・・・・・この方はご自分のくにに来られたのに、ご自分の民は受け入れなかった。しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった。・・・・・・ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた」(ヨハネによる福音書1章1、11−12、14節)。 これがクリスマスの素晴らしいメッセージです。神はもはや、私たちから遠く離れたような、知り得ないような存在ではありません。主は自ら私たちの世を訪れてご自身を現してくださり、そして今も、信じる者と共に住んでいてくださいます。私たちの話を聞いてくださり、またいつでも、私たちに豊かな恵みを与えてくださるのです。

 メリー・クリスマス!

 

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