ある牧師夫婦がカナダで開拓伝道をして、数年のうちに、立派な教会が出来ました。ところが、ある日、まだ38歳の奥さんが突然、脳脊髄硬化症の発作で倒れて、下半身が麻痺してしまいました。しばらく入院することになりましたが、看病に当たろうとしていたご主人に対して、奥さんは意外な行動を取りました。結婚指輪を外して、「好きにして良いよ」と言ったのです。つまり、「こんな身体障害者と一緒にいるより、あなたは別 の女性と結婚した方が良い」、という意味だった訳です。しかし、ご主人は奥さんを捨てませんでした。牧師の働きをやめて、献身的に奥さんの看病に当たりました。苦しい日々が続きましたが、徐々に奥さんの状態が良くなり、ご主人と共に、再び教会の働きに復帰できたということです

 キリスト教の結婚式の中で、牧師は新郎新婦のために、次の誓約の言葉を読みます。

 「あなたは神の教えに従って、夫(妻)としての分を果たし、常に妻を愛し、敬い、慰め、助けて変わることなく、その健康の時も、病の時も、富める時も、貧しき時も、いのちの日の限りあなたの妻(夫)に対して堅く節操を守ることを誓いますか。」

 この言葉に対して、新郎新婦は順番に、「はい、誓います」と、大きな声で言いますが、誓約を守っている限り、幸せな結婚生活が送れます。しかし、悲しいことに、結婚したカップルの半分は離婚すると言われている時代です。新婚旅行のために成田に向かう途中で、喧嘩をして別 れる夫婦もいると聞きます。良い夫婦関係を保つということは、なかなか難しいのですが、聖書の中に、結婚した夫婦を支える、とても力強い言葉があります。

 「しかし、想像の初めから、神は、人を男と女に造られたのです。それゆえ、人はその父と母を離れて、ふたりの者が一心同体になるのです。それで、もはやふたりではなく、ひとりなのです。こういうわけで、人は、神が結び合わせたものを引き離してはなりません」(マルコ10章6−9節)。

 イエス・キリストはここで、「妻を離別することは許されるかどうか」という質問に答えています。この質問をぶつけてきたパリサイ人は、離婚状を書きさえすれば、簡単に妻と離婚できると考えていました。しかし、キリストは、彼らの結婚観に根本的な勘違いがあることを指摘しておられます。結婚は、人間的なレベルで行われる取引ではありません。都合が悪くなれば破棄すれば良い、というものではありません。結婚とは、二人の人間が神によって結び合わせられることなのです。どの時代の、どのカップルも、この事実を信じるべきです。勿論、本人たちが、お互いのことが好きになって、自分たちの意志で結婚しようと決意する訳ですが、その背後に、神の導きの御手があるのです。あくまでも、自分たちの意志だけで結婚したと思っている人は、自分たちの意志でまた、離婚できると考えます。しかし、神によって結ばれたと確信している夫婦は、多少の困難があっても、別 れないのです。


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