ジョージ・フォーマンというボクサーの話です。フォーマンは24年前にヘビー級のチャンピオンになりましたが、モハメド・アリに思わぬ ノック・ダウンを食らって、タイトルを奪われてしまいました。彼はその時のことを振り返って、敗因は自分がアリと違って、命をかけて戦う理由がなかったことだと話していました。その後も敗戦が続いて、ひどく落ち込んでしまったのですが、そんなある日、イエス・キリストとの劇的な出会いを経験しました。そして間もなく、牧師になったのです。彼は教会を建て、また、子供のための教育施設も作りました。フォーマンもやっと、命をかけられる信念、あるいは生き甲斐が見つかった訳です。

 ところが、人のための奉仕活動をやっていく中で、資金的な問題が生じました。献金を募ったりもしてみましたが、うまくいきませんでした。そこで、彼はボクシングに戻ろうと決心しました。再びリングに上がれば、子供たちのためのお金が稼げると思った訳です。その時、彼は既に38歳でした。牧師をしながら、ボクシングの厳しいトレーニングが始まりました。徐々に、体が出来てきて、十数年振に試合に臨みました。そして、勝ち進んでいくうちに、ついにチャンピオンに挑むチャンスがやってきましたが、もう45歳の年でした。1994年の11月に試合が行われました。フォーマンが勝てる見込みなど、全くないと言われていましたが、予想どおり、前半は苦戦でした。後半に入っても、良いところがありません。ところが、試合の終了間際に、パンチが当たって、チャンピオンをノックアウトするのです。45歳の男がヘビー級のチャンピオンになるということは、全く不可能だと思われていましたが、キリストによって変えられたフォーマンは、子供たちのために不可能に挑戦して、 そして、勝ったのです。

 「私たちは、四方八方から苦しめられますが、窮することはありません。途方にくれていますが、行きづまることはありません。迫害されていますが、見捨てられることはありません。倒されますが、滅びません。いつでもイエスの死をこの身に帯びていますが、それは、イエスのいのちが私たちの身において明らかに示されるためです」( コリント4章8−10節)。

 この「倒されても滅びない」というのは、ノックダウンされることがあっても、ノックアウトされることはないという意味です。ボクシングの試合の時、何回ノックダウンされても、それで負けになるのではありません。何回でも立ち上がれば良いのです。最後に相手をノックアウトしさえすれば、勝利はその人のものとなります。また、スポーツのある種目には、敗者復活戦というのがあります。一度は敗れても、まだチャンスは残っている訳です。

 考えてみると、聖書が述べている救いは、まさに敗者復活の福音だと言うことができます。イエス・キリストが捕らえられて十字架に釘づけられ、殺されてしまったというその姿は、どう見ても敗者としか映らなかったでしょう。しかし、復活の事実によって、実はあの敗れたと見えた十字架の死こそは、全人類を救う根拠となったというどんでん返しがそこにあったのです。ですから、敗残兵のように逃げ隠れしていた弟子たちもまた、甦られたキリストに出会って変えられ、命懸けで福音を伝えるほどの信仰の勇者になることができたのです。死から甦られたキリストの福音は、まさに敗者復活の福音なのです。あなたも、イエス・キリストを信じるなら、新しい人生がスタートします。


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