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英語で、物を指す時に、「イット」(it) という言葉を使います。「それ」とか、「あれ」という意味になりますが,大きな失礼に当たるので、決して人間に対しては使われない言葉です。しかし、そのような当たり前の礼儀は、ディウ゛・ペルザーさんの家庭では守られませんでした。ディウ゛さんは母親から名前で呼ばれることがなく、いつも、「イット」と呼ばれていました。そればかりではありません。彼は8歳の時から5年間、凄まじいほどの暴力を受け続けたのです。ディウ゛さんはその著書『「イット」と呼ばれた子供』の中で、自分の体験を赤裸々に描いています。学校から帰って来たディウ゛さんは、家の掃除や皿洗いなど、ありとあらゆる仕事をさせられて、まるで奴隷のようにこき使われました。また、決められた時間内に済ませておかないと、夕食抜きにされます。10日間、食べ物が何も与えられないこともありました。学校で、同じクラスの子供の弁当を盗み食いして、飢えを忍びましたが、そのことを知った母親は激怒し、帰宅後に、子供の喉に指を突っ込んで、食べた物を吐かせるようになりました。また、子供が家のゴミを漁っているところを発見すると、わざと腐った肉をゴミに混ぜました。それを食べた子供は、おなかをこわし、1週間、寝込んでしまいました。母親に少しでも口答えをしようものなら、殴る蹴るの暴力は勿論のこと、ガスレンジの上に手を伸ばさせられて、火傷を負わせられることもありました。 |
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