先日、海外のニュース番組で聞いた話ですが、イタリアのマンチュアという町で、五千年前のものと見られる人骨が発見されました。若いカップルの人骨で、しかも抱き合っています。歯がきれいに残っているから若いカップルだと分かるそうですが、なぜ一緒に死んだのか、何が死因だったのかは、謎です。既に、「永遠の抱擁」という名前がつけられていますが、理想的な夫婦愛を表していると言えるかも知れません。夫婦は、いかなる時にも、人生の喜びも悲しみも共有します。環境や都合によって一緒になったり、また離れたりするようなものではありません。何があっても一緒です。お互いに支え合ったり、協力し合ったりします。都合が良くても悪くてもです。「永遠の抱擁」の写真を見て、若くして一緒に死んだ二人について色々なことを考えたり、想像したりしますが、現代人に大切なメッセージを語りかけているような気もします。

 最近、アメリカのある新聞で、言葉の定義コンテストがありました。例えば、お金とは、「天国以外のすべての所に連れて行き、幸せ以外のすべてのものを買うことができる手段」だそうです。友達とは、「全世界があなたから離れて行った時、一人駆け寄ってくれる人のこと」だそうです。では、愛とは一体、何でしょうか。選ばれた定義の一つは、「あなたの存在を喜ぶこと」だそうです。これは、聖書が述べている神の愛にかなり近い定義だと思います。現代人は、人の持っている財産や容姿の美しさ、あるいは、才能を喜ぶことができます。しかし、相手が無一文になり、年老いてその人の美しさも枯れ果てて寝たきりになり、何も貢献できなくなった時、どうなるのでしょうか。「もう、あなたには用がない」と言って、離れ去ってしまうことが多いのではないでしょうか。

 本当の愛は、その人の持ち物ではなく、その人の存在そのものを、いつまでも喜ぶ態度です。神の愛も、まさにそのような愛だと言えます。

 「あなたの神、主は、あなたのただ中におられる。救いの勇士だ。主は喜びをもってあなたのことを楽しみ、その愛によって安らぎを与える。主は高らかに歌ってあなたのことを喜ばれる」(ゼパニヤ書3章17節)。

 ここにあるように、主なる神は、ご自分の作品として造られた人間を喜んでくださいます。また更に、その愛の現れとして、共にいてくださいます。息を引き取る直前に悔い改めた強盗に対して、キリストは、「あなたは今日、わたしとともにパラダイスにいます」(ルカによる福音書23章43節)と言われました。ただ、神の国に入らせてあげたのではありません。「わたしとともにパラダイスにいます」と約束なさったのです。また、すべての信じる者に対して、「見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます」(マタイによる福音書28章20節)。どんなことがあろうと、最後の最後まで、共にいてくださる。これこそ、「永遠の抱擁」ではないでしょうか

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