先日、『アンデス山脈での奇跡』という本を読みました。三五年前に、アンデス山脈で起きた飛行機事故の一六人の生存記録ですが、彼らは標高四〇〇〇メートルの山の中で、七二日間、生き延びました。飛行機が墜落したのは、春先だったので、厳しい寒さに耐えなければなりませんでした。食べ物もなく、飲み水もありません。何度も吹雪が襲ったり、雪崩が発生したりしました。全く絶望的な状況でしたが、「神様が私達を見捨てるはずがない」という信仰が彼らを支えたのです。共に祈ったり、励まし合ったり、話し合ったりする中で、少しずつ、様々な知恵が生まれました。飛行機の残骸の中に、寝る場所を確保しました。また、太陽熱で雪を解かして、飲み水を得ました。最初の数日間、「もう少しの辛抱だ」と自分たちに言い聞かせて、救助隊が来てくれることを待っていましたが、最終的に、「自分たちで山を下りて、助けを求めるしかない」と、二人の生存者が覚悟を決めて、何の装備もないまま、六〇〇〇メートルの山を越え、一〇日後に、ようやく一人の羊飼いに出会うことによって、助かります。最初は英雄として迎えられた一六人でしたが、彼らがどのような方法で生き延びられたかが明らかにされると、今度は非難の的にされるようになりました。実は、一六人は、事故で亡くなって、雪の中で凍っていた人々の死体の肉を食べて、生き延びたのです。

 耐え難い試練に直面している者に対して、聖書は次のように約束しています。

 「あなたがたの会った試練はみな、人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます」( コリント一〇章一三節)。

 イスラエルの民がエジプトを出て、パロの軍隊に追いかけられた時に、主なる神は海を分けて、海の真ん中に道を設けてくださいました(出エジプト記一四章)。預言者エリヤのために、カラスに食べ物を運ばせてくださることもありました( 列王記一七章三〜六節)。また、使徒パウロがダマスコでの迫害から逃れられるように、城壁の窓からつり降ろされるかごを備えてくださったのです(使徒九章二三〜二五節)。

 真実なる神はいつでも、脱出の道を備えてくださいます。それは、時には、不思議な方法であるかも知れません。また、ある場合、なかなか周囲の人々に理解されないような方法であるかも知れませんが、「神が私を見捨てるはずがない」という信仰をもって、脱出の道を探せば、きっと見つかるでしょう。

 「見よ。わたしは新しいことをする。今、もうそれが起ころうとしている。あなたがたは、それを知らないのか。確かに、わたしは荒野に道を、荒地に川を設ける」(イザヤ四三章一九節)。

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